歯のはなし「舌がん」 |
投稿:院長 |
歌手の堀ちえみさんが今朝のNHK放送でコロナウイルスと闘う国民を励ましていました。ステージ4の舌がんに罹(り)患した堀さんは、ご自身のブログで闘病記を赤裸々に伝えることで、本症の予防を訴えています。私は彼女が15歳でデビューしてから歌手そして女優として一生懸命働いていたのをテレビ越しに見てきました。今朝のNHKテレビご出演の模様は、相変わらず視聴者を思いやる優しさに満ちており、感動しました(´;ω;`)ウッ… というわけで (^O^) 今回は舌がんの特徴や治療の導入についてお伝えいたします (^^♪ 【好発年齢、性差】 好発年齢:50歳代後半 男女比: 2対1で男性が多い 【組織学的特徴】 舌がんは「上皮性腫瘍」に属し、舌の表面から深部に浸潤していきます。 「上皮性腫瘍」とは皮膚、粘膜、腺組織から発生する腫瘍です。 一方、「非上皮性腫瘍」は骨、筋肉、血管、神経などから発生する病変です。 【口腔がん全体の中で、舌がん発生の割合】 60〜90%とも言われます。すなわち、口腔がんのほとんどが舌がんです。 【舌がんが発生しやすい場所】 舌の側面です。奥歯に接する部位と覚えてください。逆に、人から見える部位(舌の背中部分、先端部分)には発生しにくいです。 【舌がんを引き起こす因子】 遺伝、喫煙、飲酒、不潔に加え大きなむし歯や合わない入れ歯など「舌に傷をつくる」要素が加わった時。特に喫煙は深刻で、舌がんのみならず口腔がん全体の80%において原因になっております。 【舌がんの予防】 喫煙、節度のある飲酒、バランスの良い食事、身体活動、適正な体型など。 【初期の診査診断】 初期は白っぽい色調、口内炎様の形状を呈します。その段階では歯科診療所で定期的経過観察を要します。その後、病変が縮小しないとか、病変の境界が不明瞭なまま大きくなる場合、病変部が裂けたみたいに内面が露出し悪臭や出血が出る場合は大きな病院で細胞診(顕微鏡等で精密検査)を行います。 【治療方法】 放射線療法、化学療法、外科的切除。 【予後】 ステージごとに予後(5年生存率などで評価)が異なります。予後を左右するのは早期発見および治療です。外科的切除を要した場合は口腔内再建手術が必要となります。 先に書いた【舌がんの予防】は全ての病気予防に通じ、健康寿命の延伸につながります。「全身の入り口はお口」です。「口が臭い」「舌(or 頬)が痛い」「歯がしみる」症状はひどくならないうちに診察を受けてみてください。 |
2020年4月14日(火) |
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