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 歯科治療と喘息(ぜんそく)
投稿:院長

【喘息患者さんと歯科治療】

喘息は、気道の炎症により空気の通りが悪くなる病気です。

★喘息の症状

1 喘鳴(ぜいめい)

呼吸時に「ぜいぜい」「ひゅー、ひゅー」といった音がする。

2 呼吸困難

 気道狭窄のため、呼吸が苦しい。

3 喀痰(かくたん)

気道の粘膜炎症が原因で分泌物が痰(たん)として排泄。

★誘発物質

 健常者であれば無症状でも、喘息の方はハウスダスト、タバコ、ストレス、住宅建材の化学物質により気道が狭くなり呼吸が困難になります。

受診の際は、問診表に「喘息を誘発する物質をご記載願います。

★歯科治療時の危険物質

 心理的ストレスも原因になり得ます。また、歯科用麻酔薬で喘息発作を生じることもあり得ます。以前の歯科治療時に喘息発作のご経験がある方は、その旨をお伝えください。また、歯科のみならず医科の外科系処置を受ける際は、発作治療用吸入薬をご持参ください。

喘息のうち、アスピリン喘息の方は非ステロイド系抗炎症薬を飲むと重篤な喘息症状が発現することがあります。そのため、治療時は喘息治療薬を示す「おくすり手帳」をご持参願います。

★口腔カンジダ症

 喘息治療用の吸入ステロイド薬は炎症を抑え気道を広げる作用があります。一方で、口腔内にカビが繁殖する「口腔カンジダ症」の原因にもなり得ます。吸入薬使用後に、残った薬をうがいで洗い流せば問題は起きません。

しかし、うがいが不十分であるとか疲労蓄積により口腔カンジダ症が発生することがあります。口腔カンジダ症は「ヒリヒリ」と接触痛が生じる辛い病気です。そのような症状を感じたら、適切な歯科治療とお薬の処方で治せますのでご相談ください。

★口腔乾燥症

 前述した喘息治療用吸入薬の長期使用により唾液の分泌量が減少します。唾液量低下は食事や発音機能に支障をきたし、加えて唾液の抗菌作用低下により、やはり口腔カンジダ症の原因にもなります。その際は歯科的に口腔保湿の薬剤やミネラルペーストの処方で対応が必要となります。

 社会の近代化とともに、喘息患者数は増加の一途をたどり、「かくれ大人(おとな)喘息」の方も多数潜在しているものと思われます。喘息は若年者の病気と思われがちですが、60歳代で初発することもあります。また、発症年齢が高いほど重症になりやすいという研究結果もあり、生涯注意しなければいけない疾患です。呼吸器疾患はその症状が軽微なうちから治療を受けていないと、新型コロナウイルス感染症に代表されるウイルス性疾患に罹患した際は重篤な症状を呈することがあります。日頃から早期発見早期治療に努めましょう。

 

 次回は「喘息・COPDと新型コロナウイルス感染症の関わり、予防法」について、明日か明後日、お伝えいたします。



2020年4月30日(木)

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